特集 アルコール依存症に合併する身体疾患とその治療
7.アルコールとメタボリックシンドローム
Frontiers in Alcoholism Vol.6 No.1, 55-59, 2018
メタボリック症候群はインスリン抵抗性を基軸として発症する。臨床研究結果からは中等量以下の飲酒はメタボリックシンドロームを改善させるという報告が多くなされているが,アルコールの作用機序から考えれば飲酒はインスリン抵抗性を悪化させ,血圧を上昇させ,中性脂肪を増加させることが考えられる。飲酒がメタボリックシンドロームにいかなる影響を与えるかはいまだ不明な点も多く,メタボリックシンドローム改善のためにアルコールを摂取することは慎みたい。
「KEY WORDS」メタボリックシンドローム,インスリン抵抗性,内臓脂肪,脂質代謝,高血圧
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。