この連載も数を重ねて今回が8回目である。最初の5回は本誌の趣旨に沿ってアルコール依存について考えてきた。その後はいわゆる「行為嗜癖」に話を進め,ギャンブルとインターネットの問題を取り上げた。
よく知られているように,嗜癖の対象を物質,行為,人間関係の3種類とする考えがある。そこで今回は人間関係の問題を考えてみたい。しかし,調べを進めていくうちに,3種類の嗜癖があるというよりも,あらゆる嗜癖問題の根本に人間関係の問題があるように思えてきた。