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WHITE PAPER 女性の健康をめぐる新たな潮流

ベルト電極式骨格筋電気刺激法(B-SES)の臨床応用と日本骨格筋電気刺激研究会の取り組み

玉木彰小泉美緒

WHITE Vol.8 No.1, 42-47, 2021

健康の維持・増進のために実践される筋力トレーニングや有酸素運動を含めたいわゆる運動療法は,その有効性が科学的根拠によって証明されており,リハビリテーション領域において重要な役割を担っている.しかしながら,わが国の超高齢社会はとどまることを知らず,高齢に伴うフレイル・サルコペニア,転倒による骨折,呼吸器疾患,心疾患,脳血管疾患,糖尿病などの発症による活動性の低下,さらには重症患者が収容される集中治療室(ICU)においてベッド上での安静が余儀なくされ,不活動により筋力低下を来たす患者も多く認められる.このような運動強度の制限,あるいは運動自体が困難な患者に対し,筋力トレーニングや有酸素運動の代替となる運動方法の開発が望まれている.その1つの手段として近年,骨格筋電気刺激の研究が進められており,予防や治療医学,介護予防,さらには痩身などの観点からも今後の発展が期待されている.
そこで本稿では,骨格筋電気刺激およびベルト電極式骨格筋電気刺激法(belt electrode skeletal muscle electrical stimulation:B-SES)の特徴と利点について解説し,B-SESを用いた治療効果に関する知見を示すとともに,B-SESの生体に及ぼす影響や効果などを明らかにする目的で設立された日本骨格筋電気刺激研究会の取り組みについても紹介する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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