骨粗鬆症とサルコペニアには多くの共通要因が存在するため,両者は互いに合併しやすい.骨粗鬆症は女性に多い疾患であるが,臨床上,問題となるのは転倒による骨折である.転倒には筋力低下をはじめとする身体運動機能の低下が関与するため,サルコペニアの合併は,女性の骨粗鬆症性骨折のリスクを増加させる.本稿では,骨粗鬆症とサルコペニアの関連について述べるとともに,骨粗鬆症治療薬のサルコペニアに対する効果の可能性について,主にビタミンDに関する知見を中心に解説する.