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特集 女性のサルコペニアを考える

2 非荷重環境における筋萎縮

大島博

WHITE Vol.8 No.1, 15-18, 2021

骨格筋は,成人体重の約40%を占める生体内で最大の臓器である.組織学的には横紋筋で,関節を動かす,重力に抗して姿勢を保つ,筋収縮によりエネルギーをつくる,内臓を保護するなどの働きをしている.
骨格筋は収縮特性から,大きく2種類の筋線維単位に分けられる(表1).収縮速度は遅いが,ミトコンドリアが多く,酸素を利用した持続的収縮に優れる遅筋線維(Type I,赤筋)と,ミトコンドリアは少なく持続的能力は低いが,解糖系のATPase活性による大きな収縮力を生み出す速筋線維(Type II,白筋)に分けられる.速筋線維は,持久的能力も併せ持つType IIaと,持久的能力に乏しいType IIbに区分される.運動強度が増すにつれ,Type I(遅筋線維),Type IIa,そしてType IIb(速筋線維)と順次筋線維は動員される
背筋,大腿四頭筋,下腿三頭筋などは,重力に抗して姿勢を保つ筋肉で,抗重力筋と呼ばれる.下腿のヒラメ筋には,遅筋線維が優位に分布する.腓腹筋は,遅筋線維と速筋線維がそれぞれ50%存在する.速筋線維は力を発揮し速い運動を行う上腕二頭筋などの随意筋に多い.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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