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特集 AGEsと女性医療

5 AGEsと不育症

太田邦明鈴木大輔髙橋俊文水沼英樹

WHITE Vol.7 No.2, 39-44, 2019

糖化ストレスとは,還元糖,脂質,アルコールに由来するさまざまなアルデヒドが生体内で過剰に生成される状態を表す.これらのアルデヒドは,タンパク質など生体内物質と反応してカルボルニル修飾タンパクや終末糖化産物(advanced glycation end products:AGEs)を生成し,AGEs/RAGE(receptor for AGEs)シグナルを刺激してさまざまな変化が生じ,加齢性疾患の病因となる1)
一方で,女性の妊孕能のピークは20〜30代前半であり,その後は急速に低下する.ところが,近年,不妊症患者は晩婚化に伴い,加齢による妊孕性低下で苦しむ患者が増加していることが十分に推測される.実際に2016年にARTを施行した年齢別周期数は40歳以上が半数を占めている(図1).もはや不妊症は加齢性疾患へとシフトチェンジしている.そのため,AGEs/RAGEシグナルが不妊症・不育症との関連性を示す報告が最近では散見されてきた.AGEs/RAGEシグナルと不妊症に関しては別稿を参考にしていただき,本稿では特にAGEs/RAGEシグナルと不育症に関して解説する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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