女性に生じる薄毛には種々の脱毛疾患があり得るが,一般的に「薄毛」として理解されているのは,正式な病名としては女性型脱毛症と呼ばれる状態であろう.女性型脱毛症は毛包のミニュチュア化が生じることによって細くて軟らかい毛髪の比率が増加する状態(軟毛化)である1).このような軟毛が頭頂を通る正中線に沿って生じ,それが横に拡がっていくこととなる(図1).罹患者には精神的な苦悩やself body imageの障害を与え,QOLの面から重要な病態と言える2).年齢的には思春期以降から高齢になってまで発症する可能性があり,ときにアンドロゲンの過剰産生など婦人科疾患に伴う場合もあるので注意深い観察が必要である.
WHITE PAPER 女性の健康をめぐる新たな潮流
女性の薄毛─これまでとこれから─
掲載誌
WHITE
Vol.7 No.1 44-47,
2019
著者名
乾重樹
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
皮膚疾患
診療科目
皮膚科
媒体
WHITE
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。