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WHITE PAPER 女性の健康をめぐる新たな潮流

女性の便秘─これまでとこれから─

山脇博士二神生爾岩切勝彦

WHITE Vol.5 No.1, 44-47, 2017

便秘症は日常臨床では最も多く遭遇する疾患であるのだが,その概念自体がまだわが国では一定した定義としては十分定まっていない.患者の便秘に対する訴えは複雑であり,また複合的である.この便秘を規定している要素としては①便の性状や②排便後の気分,すなわち残便感などに加え,③排便困難感,④排便の頻度など,大きく分けて4つの因子から成っているとされている.したがって,臨床医は目の前にいる患者が,どの症状のために“便秘”であると訴えているのかを十分に聴取する必要がある.便秘症の病態や治療は,急速に高齢社会に突入しているわが国では,極めて重要な問題であると言える.最近では,既存の便秘薬に加え上皮機能変容薬(クロライドチャネルアクチベーター)としてのルビプロストンが認可・保険適用となり,治療薬の選択肢が増えている.また,リナクロチド(商品名:リンゼス®)など,新薬も発売されている.ここでは,特に女性にみられることが多い慢性便秘症の病態について解説をする.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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