<< 一覧に戻る

Trend & Topics 痛みの分子科学

3. ATP受容体

津田誠

WHITE Vol.4 No.2, 56-59, 2016

すべての細胞で生産されるATPは,リン酸化酵素の基質など生体の生理機能維持に必要である.一方で,ATPは細胞の興奮やダメージにともない細胞外へ放出され,隣接する細胞に情報を伝える,細胞間情報伝達物質としての役割も担っている.「プリン神経伝達(Purinergic neurotransmission)」という概念は,非アドレナリン非コリン性作動性神経伝達物質としてATPが同定されたことを踏まえ,1972年にBurnstock教授により提唱された1).細胞外のATPやほかのヌクレオチドが結合し,細胞内へシグナルを伝える細胞膜受容体がATP受容体である.1993年に最初のATP受容体(P2Y1受容体)が発見されたことを契機に,多くの受容体サブタイプが発見され,現在では7種類のP2X受容体(イオンチャネル内蔵型:P2X1~P2X7)と8種類のP2Y受容体(G蛋白質共役型:P2Y1,P2Y2,P2Y4,P2Y6,P2Y11~P2Y14)の,計15 種類が知られている(P2XおよびP2Y受容体の表記は,IUPHAR(国際薬理学連合)でのデータベース掲載名に従った(http://www.guidetopharmacology.org/)).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る