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Trend & Topics 痛みの分子科学

2. 温度受容体と機械受容体

池田亮

WHITE Vol.4 No.2, 50-54, 2016

環境温度と機械刺激は,他の刺激に付随あるいは単独で多くの生理現象を引き起こす原始的な刺激である.これらの刺激を的確に検出し求心性神経を興奮させる受容体は,タイプによる特異性はあるものの個体のあらゆる場所に普遍的に存在することから,生命維持に重要なセンサーとしての役割を担っていると考えられる.逸脱した温度の上昇や低下あるいは神経障害によって生じる機械刺激への異常な応答は,“痛み”とも密接にかかわっている.病態生理を理解するうえでも,検出機構の構造,機能解明は大きな意味をもつ.本稿では,温度受容体としてクローニングされたtransient receptor potential(TRP)チャネルと,機械受容体として注目を集めているPiezoチャネルを中心に,それらのチャネル特性と“痛み”とのかかわりに焦点をあてて概説する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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