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特集 女性の健康寿命延伸と健康支援

1 わが国の高齢女性は幸せか

本川裕

WHITE Vol.4 No.1, 13-20, 2016

「はじめに」近年,幸福度について,経済学や社会学,心理学などで科学的な分析が多く試みられるようになった.経済学では,豊かさと幸福度が比例するか,幸せはお金で買えるかについて多くが論じられている.自由市場経済を万能とは認めない人々は,両者の不一致を示す事実に着目する傾向がある.このため「イースタリンの逆説」が引き合いに出されることが多い.1970年代,米国の経済学者のイースタリン(Richard Easterlin)が「第2次世界大戦後に急速な経済発展を遂げた日本における生活に対する満足度は,低下している」という調査結果を基に「経済成長だけでは国民の幸せは量れない」という「イースタリンの逆説」を提唱した.ところが,最近は所得と生活満足度あるいは幸福度には相関があるとする論文も多く登場しており,所得以外の幸福の要因についても多角的に論じられている.幸せへの関心の高まりは,医療界におけるQOLの重視と似たところがあると思われる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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