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女性のウェルエイジングとアンチエイジング

2 皮膚の加齢

森田明理

WHITE Vol.1 No.1, 11-15, 2013

はじめに
 皮膚老化には,内在性老化と外因性老化がある.内在性とは年齢によるものであり,外因性とは環境因子からくるもので,太陽紫外線,さらに最近では,喫煙や大気汚染が因子として考えられている.皮膚老化の特徴は,粗そうな皮膚・乾燥した皮膚,色素斑・くすみ,シワ・たるみである.紫外線から生じる皮膚老化は光老化といわれ,露光部に色素斑(シミ),シワができる.本稿では,内在皮膚老化と外因性皮膚老化について,さらにそのメカニズムとその対策に関して概説を行う.

1 内因性老化による皮膚老化

 皮膚の老化には,内因性老化(自然老化)といわれる非露光部にみられるものと,露光部にみられる光老化がある.内因性老化(intrinsic aging)以外として,日光曝露を含めた環境因子から生じるものを外因性老化(extrinsic aging)とし,その中に光老化が含まれるようになった.疫学的な調査の結果,喫煙と皮膚老化の関係が見出されたためである.光老化は加齢による内因性老化とは質的に異なるものであるが,内因性老化の上に形成され,日光曝露の時間,スキンタイプの違い,生活習慣,緯度などによる影響を受ける.光老化した皮膚の特徴は,深いシワと脱色素斑を含むシミである.日本人では,白人に比べシミができやすく,シワが少ないということが,われわれの日本人とドイツ人に対する国際共同研究から明らかとなった1).また,最近では,大気汚染と皮膚老化の関連も明らかとなった2).
 内因性老化では,肉眼的には浅いシワが増加し,皮膚が乾燥かつ菲薄化する.表皮細胞の再生率は低下し,基底層から角質に分化する角化細胞のターンオーバーは,成人の28日から老人では40~60日と延長する3).また,角層も菲薄化し,表皮突起が消失するため,皮膚の脆弱化につながる.表皮メラノサイトの数が減少し,機能が低下するため,色素斑が出現し,色調もくすむ.内因性老化の真皮の変化としては,真皮の線維芽細胞数が減少し,膠原線維,弾性線維が減少し,たるみやシワ,弾力性の低下が生じる.付属器の萎縮を伴い,脂腺の減少によって皮膚が乾燥しやすくなる.皮下脂肪組織も減少して,たるみやシワを生じる3).内在性老化がもたらす見た目の変化として,図1のように,バリア機能の低下や,表皮細胞ターンオーバーの異常から,粗そうで乾燥した皮膚となり,併せて色素斑が生じたり皮膚の色調がくすむ.

また,膠原線維や弾性線維の産生低下,皮下脂肪組織の減少によって,シワやたるみを引き起こす3)4).

2 環境因子による皮膚老化

光老化による皮膚老化
 顔面・頸部・手背などの露光部位で,長期間繰り返し日光曝露を受けた皮膚に生じる.皮膚は,黄色調となり,種々色素斑が増え,微細なシワや深いシワが増え,皮膚の光沢がなくなり,粗そう,乾燥してくる.このような皮膚の変化を光老化と呼ぶ.光老化は加齢による内因性老化とは質的に異なるものであるが,内因性老化の上に形成され,日光曝露の時間,スキンタイプの違い,生活習慣(戸外の仕事やアウトドアスポーツを好むかなど),緯度などによる影響を受ける.光老化した皮膚の特徴は,深いシワと脱色素斑を含むシミである.

光老化のメカニズム
 紫外線の反復照射によって膠原線維や細胞基質の変性が繰り返され,それらの修復が不完全なため引き起こされる皮膚の状態が,光老化である.この病態について,ヒトの線維芽細胞や皮膚を用いた研究で機序の解明が進んでいる.基本的な光老化の病態は,炎症・酸化ストレスやTGF(transforming growth factor)-β受容体からのシグナル抑制を介し,コラーゲン変性,コラーゲン産生抑制やその他の弾性線維の増加,プロテオグリカンの変動などが関与していると考えられている(図2).

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