はじめに  糖尿病による様々な合併症発症と進展を防ぐためには,糖尿病患者はもとより国民全体として糖尿病発症の予防と発症してからの治療に取り組んでいくことが大切である。内科医も眼科医も網膜症が進行すると失明することを説明していたが,内科医と眼科医と患者とが一緒になって眼合併症対策に取り組むというスタンスではない。また糖尿病診療がチーム医療であり診療連携が重要であるという認識は古くからあるが,具体的な手順や活動は示されてはこなかった。糖尿病患者の著しい増加に伴い,近年各地で糖尿病診療連携の取り組みがなされているが,主導母体は地域の病院,県などの地方自治体,医師会やNPO法人など様々であり効率の良いものではないため,今後はこれらをまとめて1つの力にしていく必要がある。医学・治療の進歩は著しく,2010年に日本糖尿病学会学術総会では第2次対糖尿病戦略5ヵ年計画としてアクションプラン(DREAMS)1)が発表された。しかし,糖尿病対策にはまだ多くの課題が山積している 2)-5)。