再発転移性頭頸部扁平上皮癌における一次治療の現在の標準療法は,プラチナ製剤+5-FU+セツキシマブ併用療法である。殺細胞薬と分子標的薬の併用療法であり,おのおのの薬剤の特性に応じた管理が必要である。殺細胞薬使用に影響しうる有害事象としては,骨髄毒性や嘔気・嘔吐,腎機能障害などが挙げられる。セツキシマブ使用では,皮膚症状や肺毒性などに注意が必要である。発生した有害事象に応じて,当該事象の原因と考えられる薬剤投与量の減量ないし投与中止が検討される。本療法の目的は,可能な限りquality of life(QOL)を維持しながら症状の緩和と延命を図ることである。対象者が安全に最大限の利益が享受できるように十分な配慮が必要である。
中咽頭癌の新しい治療戦略/頭頸部癌に対する治療完遂のコツとチーム医療の実際/再発転移性頭頸部扁平上皮癌の最新治療戦略
再発転移性頭頸部扁平上皮癌の最新治療戦略-生存延長最大化のための適正使用-
3 薬剤投与継続のポイントと減量,休薬,中止の見極めについて
掲載誌
頭頸部癌FRONTIER
Vol.5 No.1 40-43,
2017
著者名
榎田 智弘
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
頭頸部癌FRONTIER
Key Words
再発転移性頭頸部扁平上皮癌,セツキシマブ,EXTREME試験,シスプラチン,カルボプラチン
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。