再発転移性頭頸部扁平上皮癌における一次治療の現在の標準療法は,プラチナ製剤+5-FU+セツキシマブ併用療法である。殺細胞薬と分子標的薬の併用療法であり,おのおのの薬剤の特性に応じた管理が必要である。殺細胞薬使用に影響しうる有害事象としては,骨髄毒性や嘔気・嘔吐,腎機能障害などが挙げられる。セツキシマブ使用では,皮膚症状や肺毒性などに注意が必要である。発生した有害事象に応じて,当該事象の原因と考えられる薬剤投与量の減量ないし投与中止が検討される。本療法の目的は,可能な限りquality of life(QOL)を維持しながら症状の緩和と延命を図ることである。対象者が安全に最大限の利益が享受できるように十分な配慮が必要である。