中咽頭癌の新しい治療戦略/頭頸部癌に対する治療完遂のコツとチーム医療の実際/再発転移性頭頸部扁平上皮癌の最新治療戦略
頭頸部癌に対する治療完遂のコツとチーム医療の実際
3 80歳以上高齢者におけるBRT治療
頭頸部癌FRONTIER Vol.5 No.1, 25-29, 2017
日本は急速に高齢化社会となっている。頭頸部癌治療においても例外ではなく,高齢者に対する治療が必要となってくる。セツキシマブ併用放射線療法(BRT)は,放射線単独療法よりも高い治療効果が期待される反面,その粘膜炎,皮膚炎,間質性肺炎などのマネージメントが臨床上問題となっている。80歳を超える高齢者は循環器や呼吸器などの併存疾患も多く,BRTに際してはより注意が必要である。今回,当院でBRTを行った症例を後ろ向きに検討した結果,80歳以上の症例が半数を占めていた。高齢者に対しては,入院による積極的な栄養管理介入や支持療法を行うことで治療を完遂することが可能であった。今後増加することが予測される高齢者の治療の際にBRTが選択肢になりうるのか,症例蓄積による結果が待たれる。
「KEY WORDS」高齢者,bioradiotherapy,80歳以上高齢者,栄養介入,支持療法
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。