頭頸部癌に対してセツキシマブを併用した放射線療法や化学療法が標準治療の選択肢の1つとして位置づけられている。セツキシマブ投与に伴う有害事象は従来の細胞障害型の化学療法と大きく異なっており,それに対応する準備が必要である。infusion reaction(IR)対策としては治療開始前検査(牛肉・豚肉の抗原特異的IgE抗体検査)やIR発生に備えた薬剤などの準備,前投薬および慎重なセツキシマブ投与法が有用である。低マグネシウム血症や間質性肺炎は発症初期には症状が軽微であるため,常に起こりうることを念頭に置いておくことが重要である。硫酸マグネシウム投与の際は希釈して時間をかけて投与することが必要である。皮膚症状に対しては治療開始と同時に予防対策を行い,症状に合わせて対応している。これらの対策を講じれば問題なく施行が可能であると考えている。