糖尿病入門
              
 膵臓移植・膵島移植の現状と将来展望
                  掲載誌
                
 
                  DIABETES UPDATE
                  Vol.8 No.3 24-28,
                  
                    2019
                  
 
                    著者名
                  
  
                          穴澤 貴行
                        / 
                          上本 伸二
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                          藤倉 純二
                        / 
                          稲垣 暢也
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
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                          連載
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          代謝・内分泌
                        / 
                          糖尿病
                        
                    診療科目
                  
  
                          糖尿病・代謝・内分泌科
                        / 
                          消化器内科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      DIABETES UPDATE
                    
 インスリン依存性糖尿病患者に,血糖応答性の正確なインスリン分泌を回復させる治療として,膵臓移植と膵島移植という移植医療が実施されている。臓器移植である膵臓移植は,インスリン依存性糖尿病の1つの治療選択肢として確立されており,高い治療効果が実証されている。しかし,血管吻合を伴う高侵襲な開腹手術を必要とし,移植手術そのものに起因する合併症も少なくはない。
一方,膵島移植は,提供された膵臓から膵島組織のみを分離し,点滴の要領で門脈内に輸注する低侵襲な細胞組織移植である。インスリンからの離脱可能性については膵臓移植に劣るものの,重症低血糖発作からの解放や血糖値の安定化をもたらし,患者のQOLを改善する効果が確認されつつある。膵臓移植,膵島移植ともに,脳死または心停止ドナーからの膵提供があってこそ実施できる治療であり,ドナーの少ない本邦での実施数は諸外国に劣るが,再生医療的アプローチによる次世代の細胞治療の開発も進んでおり,今後の臨床展開が期待される。
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。