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糖尿病入門

糖尿病を抱えた患者の就労支援

中島英太郎

DIABETES UPDATE Vol.8 No.2, 24-29, 2019

我が国における近年の医療上の重要課題に,生活習慣病とメタボリックシンドローム対策がある。これらの疾病において,その根幹に位置するのが糖尿病である。糖尿病患者は全世界的にも,我が国においても年々増加の一途をたどっている。2017(平成29)年に発表された厚生労働省の平成28年国民健康・栄養調査によれば,糖尿病の有病率はさらに増加しており,糖尿病患者1,000万人,糖尿病予備群は1,000万人で,計2,000万人となっている1)。また,少子高齢化の進行や定年後再雇用の促進により,就労者の高齢化がさらに進み,今後,糖尿病を抱える就労者の増加が予想されている。仕事をもつ糖尿病患者では,しばしば仕事と糖尿病治療の両立が困難な場合があり,たとえばJ-DOIT2研究の報告2)において明らかにされたように,多くの患者が「多忙さ」を理由に挙げて糖尿病治療を自己中断している現状がある。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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