我が国における近年の医療上の重要課題に,生活習慣病とメタボリックシンドローム対策がある。これらの疾病において,その根幹に位置するのが糖尿病である。糖尿病患者は全世界的にも,我が国においても年々増加の一途をたどっている。2017(平成29)年に発表された厚生労働省の平成28年国民健康・栄養調査によれば,糖尿病の有病率はさらに増加しており,糖尿病患者1,000万人,糖尿病予備群は1,000万人で,計2,000万人となっている1)。また,少子高齢化の進行や定年後再雇用の促進により,就労者の高齢化がさらに進み,今後,糖尿病を抱える就労者の増加が予想されている。仕事をもつ糖尿病患者では,しばしば仕事と糖尿病治療の両立が困難な場合があり,たとえばJ-DOIT2研究の報告2)において明らかにされたように,多くの患者が「多忙さ」を理由に挙げて糖尿病治療を自己中断している現状がある。
糖尿病入門
糖尿病を抱えた患者の就労支援
掲載誌
DIABETES UPDATE
Vol.8 No.2 24-29,
2019
著者名
中島英太郎
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
DIABETES UPDATE
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。