肥満における脂肪細胞では,マクロファージが集積し慢性炎症を惹起することによってインスリン抵抗性や2型糖尿病を発症する1)。このマクロファージには大きく分けて2つのポピュレーションが存在する2)。1つはM1-typeマクロファージでありTNF-αやMCP-1といった炎症性サイトカインを誘導する。もう1つがM2-typeマクロファージでありIL-10やArginase1といった抗炎症性サイトカインを誘導する。さらにM2-typeマクロファージはそれぞれに特異的な誘導因子や分子マーカーの発現によって,M2a-subtypeマクロファージ,M2b-subtypeマクロファージ,M2c-subtypeマクロファージの3つに分類される。肥満ではIL-4によるM2a-subtypeマクロファージの活性化が障害され,インスリン抵抗性が惹起されることが報告されているが3),どのように障害されるのかそのメカニズムについては不明であった。
Basic & Clinical Topics
[基礎②]肥満に伴う高インスリン血症によるマクロファージのIrs2低下はIL-4誘導性のM2a-subtypeマクロファージの活性化を障害する
掲載誌
DIABETES UPDATE
Vol.8 No.2 18-19,
2019
著者名
窪田 哲也
/
窪田 直人
/
門脇 孝
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
DIABETES UPDATE
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。