肥満における脂肪細胞では,マクロファージが集積し慢性炎症を惹起することによってインスリン抵抗性や2型糖尿病を発症する1)。このマクロファージには大きく分けて2つのポピュレーションが存在する2)。1つはM1-typeマクロファージでありTNF-αやMCP-1といった炎症性サイトカインを誘導する。もう1つがM2-typeマクロファージでありIL-10やArginase1といった抗炎症性サイトカインを誘導する。さらにM2-typeマクロファージはそれぞれに特異的な誘導因子や分子マーカーの発現によって,M2a-subtypeマクロファージ,M2b-subtypeマクロファージ,M2c-subtypeマクロファージの3つに分類される。肥満ではIL-4によるM2a-subtypeマクロファージの活性化が障害され,インスリン抵抗性が惹起されることが報告されているが3),どのように障害されるのかそのメカニズムについては不明であった。