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コンサルテーション

HbA1c値と血糖値に乖離を伴う血液透析患者の症例報告

鄭立晃阿部雅紀

DIABETES UPDATE Vol.7 No.3, 34-38, 2018

糖尿病性腎症は新規透析導入の原疾患で第1位であり,その4割以上を占めている。医学の発展と医療技術の進歩により平均寿命は延長しており,糖尿病性腎症においても例外なく高齢化がみられる。加齢とともに治療薬の種類が増えていくことは珍しくないが,とりわけ高齢の慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)患者では多剤併用となっており,服薬アドヒアランスの低下や薬剤の相互作用による低血糖が危惧されるため,より慎重な管理が求められる。これらを踏まえ,適切なタイミングで腎機能に応じた経口血糖降下薬の用量減量・中止やインスリン導入を行い,適切な血糖管理を行うことが重要である。糖尿病性腎症では,腎機能の低下に伴い腎臓での糖新生の低下,尿毒症状態やインスリン抵抗性の増悪などがみられる。これらが複雑に関与していることで血糖管理に難渋することがしばしばあるが,血液透析(hemodialysis;HD)導入後は尿毒症の改善によるインスリン抵抗性の改善,インスリンおよび薬物クリアランスの低下により透析導入前の経口血糖降下薬やインスリン投与量では過量となることも少なくない。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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