人工知能(AI)は医療において大きな役割を担うことが期待されている。本論文で著者らは,AIが糖尿病網膜症と関連する眼合併症のスクリーニングに有用であるかどうかを検討した。Deep Learning System(DLS)は膨大なデータを学習し,その中から何らかの意味をもつパターンの抽出を可能とするAIである1)2)。このDLSに糖尿病網膜症や関連する眼合併症の画像(眼底写真)パターンを学習させることで,スクリーニングに応用しようとする試みがなされてきた。これまでに,白人を対象としたデータベースを用いてDLSによって90%以上の感度と特異度で糖尿病網膜症を検出できることが報告されている3)‐5)。しかしながら,多人種におけるデータベースでも同様の結果が得られるかどうかは明らかにされてはいなかった。そこで,Tingら6)は糖尿病を有する多人種(中国系,マレー系,インド系)を対象にシンガポールにおけるcommunity-based cohortを主要データセットとして,糖尿病網膜症および関連する眼合併症の評価において人間(専門家)とDLSの間で相違があるのかを検証し,DLSによるスクリーニングの有用性を確認した。
Basic & Clinical Topics
[臨床①]人工知能による糖尿病網膜症および関連する眼合併症スクリーニングの有用性
掲載誌
DIABETES UPDATE
Vol.7 No.3 20-22,
2018
著者名
川浪大治
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
DIABETES UPDATE
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。