糖尿病の血管合併症の発症進展や死亡の抑制には,血糖単独での介入では効果が十分ではなく,統合的多因子介入によって強く抑制されることがSteno-2で示されていた1)2)。しかしながら,Steno-2の対象は全体で160人という極めて小規模なものであり,また大血管症の病態や頻度も我が国と異なるデンマークで実施された研究である。さらに従来治療群の血糖・血圧のコントロールや,強化療法群の血糖コントロールは現在のガイドラインに比して,極めて不十分であった。したがって,我が国において現在のガイドラインに比して厳格な多因子介入が血管合併症の抑制や死亡の減少に有効かどうかについて大規模に検証することが重要であった。