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糖尿病入門

高齢者糖尿病の食事療法

鈴木亮

DIABETES UPDATE Vol.6 No.4, 30-34, 2017

糖尿病をもつ高齢者に対して,どのように食事指導を進めていくべきか。患者の高齢化が急速に進む現在,ますますその重要性は高まっている。血糖値や脂質を改善するうえで,食事の内容が鍵となるのは若年者でも高齢者でも同じである。高齢者を対象とした実証研究でも,食事療法は高血糖1),脂質異常症1)あるいは肥満2)の是正に有用であり,糖尿病治療の根幹を成す重要な治療法である。
ただし,高齢者特有の特徴や問題もある。高齢者は,炭水化物,脂質,たんぱく質のバランスが偏りやすい。65歳以上,HbA1c 7.4%以上の日本人糖尿病患者1,173人を対象とした食事調査では,男女ともに摂取エネルギー比で炭水化物が平均60%弱,脂質が平均25%強とやや多く,たんぱく質の占める割合は15%程度にとどまった3)。高齢者糖尿病は筋肉量と筋力の低下が進行しやすく4),骨折しやすい5)。また糖尿病は認知症の発症リスクを上昇させ,基本的ADLや手段的ADL低下のリスクが高い。食事療法は高齢糖尿病患者の特徴と必要な配慮について把握したうえで指導することが望ましい。本稿では高齢者糖尿病の食事療法について『高齢者糖尿病診療ガイドライン2017』をふまえて考察する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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