新規の経口糖尿病治療薬として,ナトリウム/グルコース共役糖輸送体2(Na+/glucose cotransporter, SGLT2)阻害薬が海外では2013年に,本邦では2014年に臨床の場で使用可能となった。本薬剤はインスリン非依存性の血糖降下作用とカロリーロスに伴う体重減少,血圧低下作用が期待される。しかし,市販後の副作用報告に基づき,日本糖尿病学会のSGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会からRecommendationが発表され,尿路感染・性器感染症に加えて,脱水,血圧低下に伴う有害事象,特に脳血管障害,インスリン不足によるケトアシドーシスや低血糖,皮疹などに対する注意喚起がなされた。