SGLT・レッスン
SGLT2阻害薬を服用している患者さんの食事療法について
掲載誌
DIABETES UPDATE
Vol.4 No.3 34-37,
2015
著者名
川浪大治
/
宇都宮 一典
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
/
栄養管理
診療科目
一般内科
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循環器内科
/
腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
DIABETES UPDATE
「はじめに」SGLT2阻害薬は近位尿細管に存在するグルコーストランスポーター(糖輸送体)であるSGLT2を阻害することにより,近位尿細管からのグルコース再吸収を阻害して尿中へのグルコース排出を促進する。これまでの糖尿病治療薬にはない,全く新しい作用機序をもつ薬剤である。現在のところ,わが国においてもイプラグリフロジン(スーグラ®),トホグリフロジン(アプルウェイ®,デベルザ®),ダパグリフロジン(フォシーガ®),ルセオグリフロジン(ルセフィ®),カナグリフロジン(カナグル®),エンパグリフロジン(ジャディアンス®)と6種類のSGLT2阻害薬が使用可能となっており,その効果と安全性が注目されている。SGLT2阻害薬はその作用機序から,グルコースの排出に伴うエネルギー喪失が起きることが大きな特徴である。したがって,SGLT2阻害薬を投与することによって炭水化物制限に類似した環境を体内にもたらす可能性があるが,このことをもってSGLT2阻害薬の投与と炭水化物制限食を栄養学的に同一に扱うことはできない。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。