コンサルテーション
              
 糖尿病性腎症患者の症例報告
                  掲載誌
                
 
                  DIABETES UPDATE
                  Vol.3 No.3 32-37,
                  
                    2014
                  
 
                    著者名
                  
  
                          四方 賢一
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          糖尿病
                        / 
                          腎臓
                        
                    診療科目
                  
  
                          一般内科
                        / 
                          循環器内科
                        / 
                          腎臓内科
                        / 
                          糖尿病・代謝・内分泌科
                        / 
                          泌尿器科
                        / 
                          眼科
                        / 
                          老年科
                        / 
                          小児科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      DIABETES UPDATE
                    
 「はじめに」糖尿病性腎症は, わが国の新規透析導入の原因疾患の第1位を占める疾患であり, 2012年には1万6千人あまりが糖尿病性腎症によって透析に導入されています(新規透析導入患者の約44%)1). 腎症を合併した糖尿病患者では心血管死のリスクが大きく高まることが知られており(心腎連関), 腎症の発症と進展を予防することは, 糖尿病患者のQOLのみならず生命予後を改善するために重要です. 近年, 腎症早期に適切な治療を行うことにより, 高率にアルブミン尿が陰性化(寛解)することが明らかとなり, 腎症の早期診断と積極的な治療介入の重要性が認識されるようになりました. 本稿では, 糖尿病性腎症の診断と治療について解説し, 症例を提示します. 「糖尿病性腎症の臨床経過と病期」糖尿病性腎症の診断は, 検尿所見(アルブミン尿/蛋白尿)によって行われますが, 他の腎疾患との鑑別を行う必要があります. 糖尿病性腎症の典型的な臨床経過は, 初期にアルブミン尿が出現し, 蛋白尿の増加に伴って腎機能が低下して腎不全に至ります2)(図1).
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。