糖尿病入門
糖尿病患者における脂質管理
掲載誌
DIABETES UPDATE
Vol.3 No.3 26-31,
2014
著者名
坂本 憲一
/
竹本 稔
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横手 幸太郎
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
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糖尿病
診療科目
一般内科
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循環器内科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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老年科
/
小児科
媒体
DIABETES UPDATE
「はじめに」糖尿病患者は近年増加の一途を辿り, 2012年のわが国の糖尿病人口は950万人に達している. 糖尿病患者の生命予後は動脈硬化を基盤として発症する冠動脈疾患や脳卒中によって左右されるが, これらの大血管障害の抑制には血糖改善だけでは不十分であることが明らかになってきている. 本稿では糖尿病患者の大血管障害を予防するために特に重要である, 脂質異常症の管理に関して述べる. 「糖尿病患者の冠動脈疾患発症率」Finnish study1)によると糖尿病患者は心筋梗塞の既往がある非糖尿病患者と同程度の心筋梗塞のリスクがあり, 心筋梗塞の既往がある糖尿病患者の場合はさらに再発の危険が高くなることが報告されている. わが国のNIPPON DATA80, 福岡県で行われた久山町研究, JDCS(Japan Diabetes Complication Study)においても糖尿病患者は冠動脈疾患発症率が有意に高いことが示されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。