コンサルテーション
肥満症を伴った2型糖尿病患者の症例報告
掲載誌
DIABETES UPDATE
Vol.3 No.2 28-32,
2014
著者名
山下英一郎
/
上野浩晶
/
中里雅光
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
DIABETES UPDATE
「はじめに」肥満は体脂肪が過剰に蓄積した状態であり, わが国ではBMI25以上を「肥満」と定義している. そのうえで肥満に起因もしくは関連して発症する健康障害の予防または治療のために医学的に減量が必要なものを「肥満症」と定義している. わが国の2011年の国民健康・栄養調査における20歳以上を対象とした調査では, BMI25以上の肥満者が男性で30.3%, 女性で21.5%であるのに対して, BMI30以上の割合は全体の3.9%に過ぎなかった. つまり, わが国の肥満者はBMI25~30のものが大多数を占めており, WHO基準を満たす肥満者(BMI30以上)はごく少数である. しかしながら, 肥満に関連する疾患群の発症は急速に増加しており, わが国では肥満の程度が比較的軽度の段階で肥満関連疾患を発症していることが示唆される. 糖尿病の肥満による発症リスクは, BMI25~30において約7倍, BMI30~35において約30倍に上昇するとの報告もある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。