はじめに  近年,糖尿病患者・耐糖能障害患者は増加しており,必然的に周術期血糖コントロールを要する症例が増加してきている。現在,日本における糖尿病患者数は約1,000万人程度と考えられており,入院患者の5人に1人程度は糖尿病の可能性があると考えられる。一方で,糖尿病患者の周術期血糖コントロールに関する大規模臨床研究は十分ではなく,このためコントロールの目標値や方法は,各施設・医師の経験に基づいて決定されることが多いというのが現状である。