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日本感染症学会学術講演会/日本化学療法学会総会合同学会

(講演)生物学的製剤と感染症対策―その制御に向けての現状と今後の展望― 生物学的製剤と深在性真菌症

第88回日本感染症学会学術講演会/第62回日本化学療法学会総会合同学会 シンポジウム2 2014年6月18日(水)

掛屋弘

感染症道場 Vol.3 No.3, 60-62, 2014

「ニューモシスチス肺炎の病態と診断・治療」 ニューモシスチス肺炎(Pneumocystis jirovecii pneumonia: PCP)は真菌であるP.jiroveciiによる肺炎であり, AIDSや臓器移植などの細胞性免疫不全状態で発症しやすい. その他, ステロイド薬や免疫抑制薬の長期投与, 生物学的製剤の投与がPCPの危険因子である. PCPはHIV感染群では数週~数ヵ月間の経過をとるが, 非HIV感染群では5日程度で急激に発症する. またPCPの予後は, AIDS患者では生存率90%であるが, 非AIDS患者では40~70%と非AIDS患者のほうが悪い1). 感染様式はかつては, 潜伏感染で, 免疫低下に伴う内因性再燃と考えられてきたが, 最近ではPCP患者や無症候性キャリアからの, つまりヒトからヒトへ経気道で感染する外来性再感染が示唆されている. ただし, PCP自体の組織障害性はきわめて低く, PCPの肺障害は主に宿主側の免疫応答によるものと考えられている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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