日本感染症学会学術講演会/日本化学療法学会総会合同学会
              
 (講演)生物学的製剤と感染症対策―その制御に向けての現状と今後の展望― 非結核性抗酸菌(NTM)症
                第88回日本感染症学会学術講演会/第62回日本化学療法学会総会合同学会 シンポジウム2 2014年6月18日(水)
              
                  掲載誌
                
 
                  感染症道場
                  Vol.4 No.1 57-59,
                  
                    2014
                  
 
                    著者名
                  
  
                          菊地利明
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          呼吸器
                        / 
                          感染症
                        
                    診療科目
                  
  
                          呼吸器内科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      感染症道場
                    
 「非結核性抗酸菌症の概説」 抗酸菌は大きく結核菌群, らい菌(Mycobacterium leprae), 非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacterium: NTM)に分類することができる. 結核菌群はヒトが唯一の感染宿主であり, 経気道的に空気感染するという特徴を有する. 一方らい菌は, 霊長類間で鼻粘膜を介して感染するが, 病原性はきわめて弱く, わが国の新規患者は2012年現在で年間5~6人といわれている. NTMは土壌や水系などの自然環境に偏在し, 菌種は150種類以上あるとされるが, わが国でヒトへの感染が報告されているのは30種類ほどである. 環境からの曝露によって感染し, ヒト-ヒト感染は現状認められていない. わが国におけるNTM症の原因菌種はM.aviumとM.intracellulareが約8割を占め1), 両者をあわせてMycobacterium avium-complex(MAC)と呼ばれている.
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。