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日本感染症学会学術講演会/日本化学療法学会総会合同学会

(講演)生物学的製剤と感染症対策―その制御に向けての現状と今後の展望― 結核

第88回日本感染症学会学術講演会/第62回日本化学療法学会総会合同学会 シンポジウム2 2014年6月18日(水)

朝野和典

感染症道場 Vol.3 No.3, 55-57, 2014

「生物学的製剤使用中の結核の特徴」 生物学的製剤の投与時において, 治療上および予後に関して最も注意が必要な呼吸器感染症は結核である. 結核は初回感染の場合, 感染後3ヵ月~2年以内に発病するが, インフリキシマブ使用例で結核を発症した症例の半数が3ヵ月以内に発症しているという報告1)もあり, 生物学的製剤使用中に発症する結核は再感染ではなく再燃であると考えられてきた. 結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は空気感染により肺胞領域までたどり着き, 肺胞マクロファージ内で増殖して肉芽腫を形成する. 多くの場合は肉芽腫の中に結核菌が閉じ込められて冬眠状態となり, 結核の発病には至らないが, 肉芽は腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor: TNF)やインターフェロン(IFN)-γなどのサイトカインによって維持されているため, TNFα阻害薬の影響で肉芽が破たんし結核菌が再活性化するという考え方である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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