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世界旅行と感染症

デング熱 日本にも忍び寄る熱帯感染症

森田公一

感染症道場 Vol.3 No.3, 41-44, 2014

「はじめに」 デング熱の輸入症例が増えている(図1). デングウイルスが常在する熱帯地域の人口増加と都市化により現地の患者数が増加しているなかで, 熱帯地域への日本人旅行者数も増えており, 輸入症例の増加は当面は継続すると考えられる. 日本国内における日常診療においても, デング熱に留意することが必要な時代といえる.
「世界のデング熱流行状況」 デング熱はアジア, アフリカ, 中南米, カリブ海や南太平洋諸島国など, ほとんどすべての熱帯地域で流行しており(図2), 蚊で媒介されるウイルス感染症のなかで最も患者数が多い. WHO(世界保健機関)は年間に5,000万人の感染者が発生し, そのうち50万人が重症のデング出血熱, 死亡者数は2万4千人に達するとの見積りを出している1). デングウイルスはネッタイシマカ(Aedes aegypti)とヒトスジシマカ(A.albopictus)で媒介され, 特に前者はヒト吸血嗜好性が強く重要な媒介蚊である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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