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微生物と感染症診療

結核菌(Mycobacterium tuberculosis)

髙木明子御手洗聡

感染症道場 Vol.3 No.3, 27-33, 2014

「はじめに」 Mycobacterium tuberculosis(ヒト型結核菌)は, 人類最大の感染症である結核の起炎菌であり, 1882年にロベルト・コッホにより発見されたことは周知の通りである. 結核菌は肺から侵入し, 全身のさまざまな臓器に病巣を形成して, 多様な病態を引き起こす. 結核菌のユニークな生物学的特徴, および結核の複雑な病態を理解することが, 患者の早期発見, 適切な治療, 感染対策として重要となる.
「細菌学的特徴」 結核菌は抗酸菌属(Genus Mycobacterium)の結核菌群(M.tuberculosis complex)に属する(表1)1). 結核菌群にはヒト型結核菌以外にも, ウシ型菌(M.bovis)やアフリカ型菌(M.africanum)などを含み, いずれもヒト結核の起炎菌となるが, 日本では結核菌(M.tuberculosis)以外の分離は報告されていない2).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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