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疾患解説:感染症の基礎知識

肺結核

永井英明

感染症道場 Vol.3 No.3, 4-8, 2014

「はじめに」 日本の結核の罹患率は結核対策により低下したが, 先進国のなかでは依然として高率であり, 日本は結核の中蔓延国である. わが国の結核患者の特徴は高齢者が多く, 若年者では外国人結核が増加していることである. 結核の病院内における集団発生が毎年報告されており, 減少していない. 要因としては, 免疫機能が低下した病態(悪性腫瘍, 糖尿病, 腎透析, 免疫抑制薬使用, 臓器移植など)の患者が増加したこと, 結核未感染の若い職員が多いこと, 結核患者の受診の遅れと医師の診断の遅れがあること, 施設の構造や設備が感染防止に不適切でしかも密閉された空間が多くなったこと, 気管支鏡検査, 気管挿管や気管切開, ネブライザーなど咳を誘発する処置が増加したことなどが挙げられている. 臨床現場では常に結核患者に遭遇する機会があることを認識し, 結核患者を早期に診断し, 適切な対応を行い, 院内感染を防がなければならない.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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