日本感染症学会東日本地方会学術集会/日本化学療法学会東日本支部総会
(講演)アスペルギルス症をとりまく諸問題―これからの治療戦略を考える―
第62回日本感染症学会東日本地方会学術集会/第60回日本化学療法学会東日本支部総会合同学会教育セミナー2 2013年10月31日(木)
掲載誌
感染症道場
Vol.3 No.2 45-51,
2014
著者名
渡辺哲
/
河野 茂
記事体裁
抄録
疾患領域
呼吸器
/
血液
/
感染症
診療科目
呼吸器内科
/
血液内科
媒体
感染症道場
近年, 欧州, 特に英国やオランダからアゾール耐性Aspergillus fumigatusが報告されている. その背景として, 薬剤の長期投与など治療的な要因や農薬の使用による環境的な要因があるようである. また, これまでA.fumigatusと考えられていたもののなかに, A.fumigatusとは性質が全く異なる菌種が含まれていたことが日本を含め各国から報告されている. 菌種の同定は薬剤感受性や薬剤選択にかかわることから, 臨床においても大きな問題となっている. 本講演では「アゾール耐性A.fumigatus」, 「A.fumigatus関連菌」という, アスペルギルス症に関する2つの話題を取り上げ, 菌種同定や薬剤の投与期間など今後の治療戦略について今後解決すべき課題が解説されている. 日常診療において耐性株に直面する可能性もあり, 本記事が耐性化や鑑別診断への理解の一助となれば幸いである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。