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疾患解説:感染症の基礎知識

肝・胆道感染症

草地信也浅井浩司渡邉学

感染症道場 Vol.3 No.1, 4-9, 2014

「はじめに」肝・胆道感染症は適切な治療が行われないと容易に敗血症を来し, 致死的になる可能性もあり, 迅速かつ適切な診断・治療が必要となる. 肝・胆道感染症の代表として肝膿瘍, 急性胆管炎, 急性胆嚢炎に関して疾患別に解説する. 「肝膿瘍」肝内に膿瘍を形成した状態であるが, 典型的な症状は発熱, 腹痛であり, その成因はアメーバ性と細菌性に分類される1). アメーバ性肝膿瘍は, わが国においては赤痢アメーバの流行する海外の国・地域への渡航者か男性同性愛者に生じることが多く, これらの聴取が診断上有効である. 診断は, 膿や腸管粘膜から原虫を証明するかあるいは血清アメーバ抗体を測定する. 血清アメーバ抗体の陽性率は95~100%で, 原虫検出率は50%程度と報告されている2). 細菌性肝膿瘍の原因として, (1)胆管炎などに伴う胆管経路, (2)敗血症などに伴う肝動脈経路, (3)消化管炎症や悪性腫瘍などに伴う門脈経路, (4)腹膜炎などからの直接感染, (5)肝損傷や肝転移による二次感染, (6)医原性, (7)特発性が挙げられる3).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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