はじめに
わが国の『細菌性髄膜炎の診療ガイドライン』1)がすでに作成されており,そのなかで,インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)ならびに肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)の髄膜炎に対して,ステロイド薬を投与することが推奨されている。しかし,現在でも細菌性髄膜炎にステロイド薬を使用するかどうか? どのような患者に投与するのか? という議論は続いている。細菌性髄膜炎は生命にかかわる重篤な感染症であり,かつ比較的症例数の少ない疾患であるため,コントロールスタディが非常に困難な疾患である。そのため,ひとたびガイドラインができ上がった場合,その内容と違うことを行うことは,よほど確かな新しい知見でもない限り困難である。そのような状況下でなお疑問が生まれるとすれば,その原因は近年報告が増えているメタアナリシスの解析結果に惑わされているのではないかと推測される。なぜ問題になっているのか整理して考えてみたいと思う。
全文記事
Pros & Cons
細菌性髄膜炎患者へのステロイド薬の適応
掲載誌
感染症道場
Vol.2 No.4 37-40,
2013
著者名
田島剛
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
血液
/
神経疾患
/
小児疾患
/
感染症
診療科目
神経内科
/
血液内科
/
手術・救急
/
小児科
媒体
感染症道場
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。