はじめに
大腸菌(Escherichia coli)は腸管内に常在する主要な菌の1つであり,われわれにとって身近な細菌である。そのため本菌による感染症に遭遇する頻度は高かったが,良好な薬剤感受性を示していたため,治療上,大きな問題となることはまれであった。しかし近年,大腸菌を含めた腸内細菌科の耐性化が進んできていることが問題となっており,治療の選択肢が狭まってきていることも事実である。さらに,腸管出血性大腸菌など病原性の高い菌による感染症は,食中毒などとして多くの患者が発生する可能性があり診断や治療の遅れがその予後を左右するが,従来とは異なるタイプの菌が出現している。このように大腸菌を取り巻く状況には変化がみられており,本菌をより詳しく知って診療に携わる必要がある。
全文記事
微生物と感染症診療
大腸菌
掲載誌
感染症道場
Vol.2 No.3 26-35,
2013
著者名
松本 哲哉
記事体裁
連載
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全文記事
疾患領域
呼吸器
/
消化器
/
腎臓
/
血液
/
神経疾患
/
骨・関節
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小児疾患
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泌尿器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
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整形外科
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産婦人科
/
消化器内科
/
泌尿器科
/
神経内科
/
血液内科
/
老年科
/
小児科
媒体
感染症道場
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。