深在性真菌症の動向
わが国の病理剖検例における深在性真菌症の年次別発症頻度をみると,もともと一番多かったカンジダ症をアスペルギルス症が上回り,その傾向が今も続いている。しかしこれはあくまで剖検例のデータであり,米国のデータでみられるとおり,深在性真菌症罹患率はアスペルギルス症よりもカンジダ症が多いと考えるのが妥当である1)。米国の2001~2007年におけるカンジダ血症の原因菌で最も多いのはCandida albicansであるが,C. parapsilosisがそれに匹敵するほどの勢いで増加しており,non-albicans Candidaが75%とかなり増加してきている2)。わが国における2002年の全国サーベイランスでは4割程度がC. albicansであり,次いでC. parapsilosis,C. glabrata,C. tropicalisの順に多い3)。南米とアジアではC. tropicalisが多く比較的似たような傾向を示すが,欧州や米国ではC. glabrataが多く4),欧州ではC. kruseiも多い4)。
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日本臨床微生物学会総会
(講演)真菌の感受性検査とその臨床的役割 感受性検査成績の臨床への応用
第24回日本臨床微生物学会総会シンポジウム4 2013年2月3日(日)
掲載誌
感染症道場
Vol.2 No.2 56-58,
2013
著者名
渡辺哲
記事体裁
学会レポート
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疾患領域
感染症
診療科目
一般内科
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呼吸器内科
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消化器内科
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腎臓内科
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皮膚科
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泌尿器科
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神経内科
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血液内科
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腫瘍内科
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老年科
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小児科
媒体
感染症道場
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