薬剤感受性測定の目的と変遷  薬剤感受性測定の目的は,原因真菌に対して有効な抗菌薬を選択し臨床効果を高めることである。また,医療機関や地域における薬剤耐性菌の動向を観察するためでもあり,新たな抗真菌薬を開発する際にも必要になる。抗真菌薬においては,1880年代に米国で酵母状真菌の薬剤感受性測定法の検討が開始され,1992年にはM27-Pが提案され1997年にM27-Aとして公表された。糸状菌に関しては1998年にM38-Pが初めて提案され,2002年にM38-Aとして公表された。欧州では2002年にEUCAST法が公表され,わが国では1995年に酵母状真菌における日本医真菌学会法が,1998年に糸状菌の日本医真菌学会法が公表された。