はじめに  アスペルギルス症はAspergillus属が原因となる疾病であり,感染症やアレルギー性疾患がある。特に侵襲性アスペルギルス症は,造血幹細胞移植や固形臓器移植などに伴い免疫抑制状態にある患者に発生する深在性真菌症のうち,予後不良で頻度の高いもののひとつと考えられてきた。全身性免疫不全は認めないが肺局所の肺病変としてみられる慢性肺アスペルギルス症や,喘息症状が前面に出る気管支肺アスペルギルス症などがある。