進行膵がんは予後が極めて不良な疾患として知られており,より良い治療法の確立が今なお急務と考えられている。1997年にGemcitabine(GEM)単独療法1),2007年にGEMとerlotinibの併用療法2)が進行膵がんに対する標準治療として,さらに2011年にFOLFIRINOX(FFX)療法3),2013年にGEMとnab-paclitaxel(GEM+nab-paclitaxel)の併用療法4)が遠隔転移を有する膵がんに対する新しい標準治療として,それぞれのランダム化比較試験(第Ⅲ相試験)の成績に基づいて登場した。またFFXの投与量を減じたmodified FOLFIRINOX(mFFX)がFFXの有効性を維持しつつ安全性を高める可能性がある治療法として複数の単群試験(第Ⅱ相試験)の成績が最近報告されている5)6)。日本を含む各国のガイドラインにおいても,状態のよい(PS良好な)進行膵がん患者に対してGEM+nab-PTX療法,FFX療法またはmFFX療法が推奨されており7),これらのうちのどの治療法が最良であるのかが大きなクリニカル・クレッションとなっている。
誌上ディベート
切除不能膵癌の一次化学療法として最も使いやすい化学療法とは
④各論を総括して
掲載誌
膵・胆道癌FRONTIER
Vol.7 No.1 26-27,
2018
著者名
奥坂拓志
記事体裁
誌上ディベート
/
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
媒体
膵・胆道癌FRONTIER
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。