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誌上ディベート

切除不能膵癌の一次化学療法として最も使いやすい化学療法とは

①FOLFIRINOX(原法)を選択する立場から

小島康志

膵・胆道癌FRONTIER Vol.7 No.1, 14-16, 2018

切除不能膵癌に対するFOLFIRINOX(FFX)療法は,それまでの標準治療であったゲムシタビン(GEM)療法に比して,強い有効性を示す一方,血液毒性・非血液毒性とも明らかに強いことから,慎重な患者選択と,治療経過に合わせた適切な減量を要する。そのため,毒性の軽減が期待されるmodifiedレジメンが開発され,日常臨床で汎用されている。
FFX療法は毒性が強い治療ではあるものの,海外の第Ⅲ相試験で有効性が証明され,日本国内でも第Ⅱ相試験で忍容性と有効性が確認されている治療法であることから,すべての症例に初回投与から減量を要するわけではなく,また減量すればすべての毒性が解決するわけでもない。今回,切除不能膵癌の一次化学療法として原法のFFX療法を選択する立場から議論をする。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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