腰椎変性疾患のほか,脊椎腫瘍,椎体骨折,化膿性脊椎炎などにも応用されつつあります。
「はじめに」高齢化社会を背景に,腰痛を主訴に医療機関を受診する患者が増加している。近年,運動器障害により日常生活の制限をきたす,いわゆるロコモティブシンドロームが提唱され1,その一因として脊椎疾患およびその治療法が注目されている。脊椎疾患は,脊柱管や神経根の圧迫を生じた場合,下肢のしびれ感や痛み,重度になると対麻痺,歩行障害,膀胱直腸障害などをきたし,患者の日常生活レベルが著しく制限される。薬物治療,装具治療,理学・物理療法などの保存治療が原則であるが,麻痺を伴う場合や,保存治療抵抗例に対しては手術治療が適応となる。健康長寿が推奨される昨今,脊椎手術の需要は増加することが予測される。しかしながら,手術により症状の改善が得られる一方で,手術侵襲によって生じるマイナス面も無視できない。