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Special Article 総説

疾病利得の心理・生物学的背景とオペラント行動療法

笠原諭

Locomotive Pain Frontier Vol.4 No.2, 32-35, 2015

慢性疼痛の患者の中には,強い痛みを訴えながらも「治りたくないのではないか」との印象を与える者もおり,医療者は「疾病利得を求めている」と意識的な動機付けを想定しがちである。しかし疾病利得は無意識的に生じ,意図的な詐病とは区別される。本稿では,疾病利得がどのように無意識のレベルで学習・維持されるのか心理学的・生物学的な側面から概観し,それらに対してどのように対応すべきなのかオペラント行動療法の観点から解説する。
「オペラント条件付けとオペラント行動」人間の行動は,大きく分けてレスポンデント行動とオペラント行動に大別される(図1)。レスポンデント行動とはいわゆる反射とよばれる行動で,行動の原因は時間的に“行動の前”にある。例えば「梅干しを見る→唾液が出る」や,「目に埃が入る→涙を流す」などである。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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