ヒトは四肢運動に伴う運動系と感覚系の情報伝達を常に中枢神経系でモニターし,これを知覚-運動ループとよぶ。健常状態では知覚-運動ループが整合されている状態であるが,知覚-運動ループの整合性が破綻するとその異常(破綻)に対する警告として痛みが中枢神経系で起こる(認知される)と考えられている。幻肢痛に対する鏡療法を例に知覚-運動ループの統合による神経リハビリテーションの鎮痛機序を考察する。
「知覚-運動ループの破綻と痛み」四肢運動の際には,運動の指令に続いて運動後に知覚される感覚情報フィードバック(腕の肢位など)の予測(efference copyという)と実際の運動(execution)が起こり,続いて実際の運動によってフィードバックされた感覚情報が運動予測(efference copy)と比較されることによって,さらに新たな運動指令が準備される。
「Key words」幻肢痛,大脳,神経リハビリテーション,鏡療法,知覚-運動ループ
「知覚-運動ループの破綻と痛み」四肢運動の際には,運動の指令に続いて運動後に知覚される感覚情報フィードバック(腕の肢位など)の予測(efference copyという)と実際の運動(execution)が起こり,続いて実際の運動によってフィードバックされた感覚情報が運動予測(efference copy)と比較されることによって,さらに新たな運動指令が準備される。
「Key words」幻肢痛,大脳,神経リハビリテーション,鏡療法,知覚-運動ループ