Clinical Question Q&A形式で疑問を解決
Q2 腰椎椎間孔狭窄症の診断のポイントとは?
Locomotive Pain Frontier Vol.2 No.2, 42-43, 2013
腰部脊柱管狭窄症ではあまりみられない後根神経節由来の症状を見逃さないことです。
腰椎椎間孔狭窄症とは?
腰椎椎間孔が骨および軟部組織の変性により狭小化をきたし,神経組織の障害あるいは血流障害が生じて症状を呈する疾患群です。脊柱を構成する管状構造の1つである脊柱管とは解剖学的に異なりますが,本疾患は,腰部脊柱管狭窄症の一部とみなされています1。
椎間孔の解剖学的定義に世界的なコンセンサスの得られたものはありませんが,一般的に椎弓根内縁から椎弓根外縁までの領域を指します(図1)。
したがって,椎弓根内縁までの内側部は脊柱管,椎弓根外縁から外側部は椎間孔外として区別します。その一方で実際の画像診断上では椎間孔内外の区別が判断し難いため,臨床上の利便性を考慮し椎間孔外を含めて椎間孔もしくは椎間孔部として論じられることが多くなっています2。
臨床症状の特徴は?
障害された腰神経の支配領域へ放散する臀部・下肢痛と神経性跛行が典型的で,腰部脊柱管狭窄症とは共通する部分が多くみられます。しかし,腰部脊柱管狭窄症と比較して,①痛みやしびれが高度である,②疼痛誘発・増強試験が陽性化しやすい(ケンプ徴候等),③安静時痛(坐位および臥位時)を呈することが多い,の3徴候が腰椎椎間孔狭窄に特異的な臨床兆候として広く認識されています3-6。本疾患では,知覚神経の細胞体を有し,末梢神経組織の中で侵害刺激に最も感受性の高い後根神経節が椎間孔内で障害を受けることが多いため,このような特異的な臨床兆候を示すものと考えられています7。
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。