Clinical Question Q&A形式で疑問を解決
Q1 心身症とはどのようなものですか?
Locomotive Pain Frontier Vol.2 No.2, 38-40, 2013
心身症とは身体疾患の中で,その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し,器質的ないし機能的障害が認められる病態です。
はじめに
心身症を一言でいえば,「心でおきる身体の病」のことですが,心身症という単一疾患があるのではありません。心身症は高血圧症(心身症),過敏性腸症候群(心身症)など身体疾患に(心身症)を付記した形で示されます。
1991年日本心身医学会は心身症の定義を「身体疾患の中で,その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し,器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし,神経症やうつ病など,他の精神障害に伴う身体症状は除外する」と定めています1。
心身症の診断
心身症は,身体的,心理的,社会的の各要因を配慮して診断されます。心身症はその定義に従って限定されるべきですが,すべての病者が疾病に伴う何らかの心理社会的問題を有し,かつ心身医学的配慮が重要なことは論を待ちません。実際に心療内科や心身医療を扱う外来を訪れることが多いという観点から,図1に心身医学的配慮が必要と考えられる疾患の一覧をあげました2。
すべての疾患が心身症の定義を満たすものではありません。
また,心身症を把握するうえで重要なことは,心身症としての各疾患の身体的背景です。つまり,心身症とよばれる疾患群の中で器質的障害,機能的障害と心理社会的因子の各々の占める割合がどの程度であるかが重要な視点となります。図2に器質的背景の程度からみた心身症の位置付けをあげました2。
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。