はじめに  MRIの普及に伴い,脊髄空洞症と診断される患者の数が近年増加している。諸家の報告にあるとおり,空洞症の早期診断および大後頭孔除圧術(FMD)や空洞クモ膜下腔シャント術(S-Sシャント)法の確立により,術後空洞そのものを縮小することは可能となってきた1,2。しかし実際には,脊髄空洞症患者の症状が必ずしも空洞の縮小によって改善しないことから,治療法は難渋することがある3,4